デパ地下にサテライト店を構える和菓子の〈みつ屋〉。ここでアルバイトをはじめて8ヶ月の杏子は、和菓子の奥の深さに勉強の日々。
ユニークな店員たちに囲まれ、今日も1つ謎が解けていく。
坂木司さんの『アンと青春』を読みました。
あらすじ
『空の春告げ鳥』
年明け、アンこと梅本杏子は母に連れられて、デパートで開催されている『全国駅弁大会』にやってきた。
しかし、アンの興味は『新春・和菓子フェア』に。
そこで、クレーマーめいた客を見かけるが、その客は「いつまでこんな飴細工の鳥を置いておくつもりなんだか」と言い残して去って行った。
感想
『和菓子のアン』の続編です。
少し重めの作品が続いたので、少し気楽に読めるものということで、こちらを手に取りました。
相変わらず肩の力を抜いて読めるのが心地よいです。
今回杏子は、立花と中華街でデート?!
“乙女”な立花と、自分がモテることはないと思い込んでいる杏子のことですから、本人にデートという感覚はないようですが…
日常の謎を解くお話ですが、基本的に店長が探偵役となるものの、杏子も含め、〈和菓子屋みつ〉の店員全員が探偵役に回ることがあるところが面白い。
特に最後の『秋の道行き』の謎解きは見事でした。
このほか、『女子の節句』、『男子のセック』、『甘いお荷物』、『秋の道行き』が収められています。
『女子の節句』
はじめてまとまった休暇を取った杏子は、友人2人と京都へ旅行に。
そこで、以前店に来た敬語に厳しい客の話を披露する。
『男子のセック』
新らしく〈K〉という洋菓子店が入店してきた。
そこで働く柏木は、以前『新春・和菓子フェア』でクレームをつけられていた店員だった。
『甘いお荷物』
フロア内でジュース売り場を探していた親子に、生ジュースのお店を教えた杏子。
しかし、母親が「何が入っているかわからないジュースは、飲んじゃダメなのっ」と言い出す。
『秋の道行き』
長期休暇に入る前日、立花が杏子に上和菓子を2つ残していった。
杏子は、それが何を意味しているのか考える。
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