大倉崇裕さんの『冬華』を読みました。
月島で便利屋をしている倉持と、3ヶ月前から一緒に仕事をしていた深江が、何も言わずに姿を消した。
倉持は心あたりをあたって、深江が奥穂高岳へ向かったと確信する。
一方、1人で山小屋で暮らして猟をしている植草は、熊本と名乗る人物から、人を撃って欲しいと依頼される。
大倉崇裕さんが「山岳ミステリ」と銘打った『聖域』、『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』、『白虹』、『凍雨』、『夏雷』、『秋霧』ですが、先の3作品が「ミステリ」という言葉がぴったりくるのに対し、後ろの3作品は、「山岳ミステリ」というよりも、「山岳アクション」と言った方がぴったりくる作品になっています。
この作品も、『凍雨』からの3作品に比べると、アクション色は薄くなっていますが、やはりアクションもの。
ハリウッド映画なみの、「なんでそれで生きているんだよ!」といった感じはないので、ある意味、安心して読めるかも。
夏、秋、冬と続いてきた「便利屋倉持シリーズ」ですが、春まで続くのでしょうか?
一番厳しい冬山を舞台にした作品を最後に、打ち止めにしても良いのかな?と思う反面、続きが読みたいなと、贅沢な悩みを抱えています。
ちなみに、エンディングは、続きがあってもなくても良いような終わり方。
大倉崇裕さんも、少し悩んでおられるのでしょうか?
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