下村敦史さんの『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』を読みました。
あらすじ
電動自転車の欠陥隠しを世間から糾弾された製造会社の社長・志賀川恭一が社長室で自殺した。
1ヶ月後、関係者7人が山中の廃墟に集められた。
そこは、志賀川が自殺した社長室のあるフロアが再現されており、志賀川は殺害されたのだと”ゲームマスター”が告げる。
48時間後に毒ガスが挿入されるので、それまでに真犯人を暴き、真犯人のみが助かるというルールが発表される。
感想
もともと下村敦史さんは好きな作家さんですが、タイトルを見て飛びついてしまいました。
「全員犯人、だけど被害者」というところまではわかりますが、最後の「しかも探偵」というところをどう読むか…
プロの探偵のことなのか、急遽謎解きをしないといけなくなった素人探偵のことなのか…
読む前から想像をかき立てられます。
残り1/3くらいで、生き残った人物の名前が明らかにされたことには少々驚き。
今の状態からその結論まで、どう遷移していくのかなぁと、かえって頭を悩ますことになります。
また、今回の仕掛け人である”ゲームマスター”が誰なのかというのも謎です。
途中に隠されたヒントは見落とさなかったのですが、そこからの推理が間違っていました。
しかも…というところで完全にしてやられましたしね。
結末がどうあるべきだったのか、というところは意見の分かれるところかも知れませんが、下村敦史さんらしいエンディングだったかな。
もう少し意外性があって、スマートな終わり方だったら、「オススメ!の作品」に追加していたかなぁ。
機会があればぜひ。
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