東川篤哉さんの『居酒屋「一服亭」の四季』を読みました。
あらすじ
求職中の君鳥翔太は、母のつてを辿って貿易会社の創設者・磯村光一郎の家を訪れた。
某大手出版社の編集長を紹介してもらったまでは良かったが、翌朝、磯村が目を掛けている画家・杉本里佳子が住む山小屋を訪れたところ、小屋の中には里佳子の胴体だけが転がっていた。
しかも、駐在所に行って警官を連れて戻ると、その胴体すらも消え失せており、近くの滝の中ですべてのパーツが揃った状態で発見された。
君鳥は、磯村に紹介された編集長に指示を受け、鎌倉にある喫茶店「一服堂」の店主・安楽ヨリ子に会いに行く。
しかし、そこはすでに店主が替わっており、たまたまヨリ子を知る女性に連れられ、居酒屋「一服亭」の扉を開く。
感想
『純喫茶「一服堂」の四季』の続編という形になっています。
しかし、女将の安楽ヨリ子は、「2代目・安楽ヨリ子」を名乗っており、前作とは一応別人。
別人とはなっているけど、性格はそのまんま。
きっと、濃い血のつながりがあるのだろうと思うのですが、娘にまったく同じ名前をつけることはないしなぁというところで、深く考えるのをヤメにしました。
前作に出てきた人物も、君鳥があった雑誌の編集長がそれらしい人物だったこと以外、出てきていないのではないかと思います。
そんな具合なので、この作品から先に読んでも問題ないとは思いますが、前作の流れを受けているので、時間がある方は、やはり『純喫茶――』から読まれた方がよろしいかと。
扱っている事件も、前作同様猟奇殺人。
前作では、十字架に磔にされた死体なども扱っていましたが、今回はバラバラ殺人ばかり。
これも、東川ワールドの一部ではあるのですが、すべてではないので、初めて東川篤哉さんの作品を読む方にはあまりオススメできないかも…
きっと、バラバラ殺人というところばかりが気になってしまうのではないかと思います。
ちょっと上級者向けの東川篤哉作品といえば良いでしょうか。
東川篤哉さんの作品の読み方を身につけている方であれば、十分に楽しむことができると思います。
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