赤川次郎さんの『百年目の同窓会』を読みました。
ある日突然、普通の主婦が「自分はメアリだ」と言い出した。
さらに、身元不明で保護された女性はエリザベスと名乗り、アニーと名乗る女性まで…
これら3人が名乗っている名前に共通するのは、約100年前のロンドンを恐怖に陥れた「切り裂きジャック」の被害者の名前だった。
鈴本芳子は、ホームズらの力を借りて、残る2人の被害者を名乗る女性を探し始めるが、アニーを名乗っていた三原冴子が、首をナイフで裂かれて殺害される。
とある精神病院の第9号棟に閉じ込められてしまった鈴本芳子が、歴史上の人物だと信じ切っている人たちと協力して事件に挑む「第9号棟シリーズ」の第2作です。
今回の敵は切り裂きジャック。
切り裂きジャックがロンドンで犯行に及んだのは、この作品が書かれた時期から約100年前の1888年。
当時、同じロンドンで探偵として活躍していたホームズは、今回こそはと切り裂きジャックの逮捕に熱が入ります。
歴史上の人物になりきっている第9号棟の人たちと、切り裂きジャックの被害者になりきっている女性たちが、自然に融合しています。
そこがこの作品のミソなのですが、このシリーズだからこそ描けた世界ではないでしょうか。
第1作の『華麗なる探偵たち』でもちょっとだけ登場したルパンが、重要な役割を演じるようになっていて、このシリーズの主要登場人物が整ってきた感があります。
また、射撃の名手アニー・オークレーや、弓の名手ロビン・フッドなど、心も技も本物そっくりの人物がいる一方で、ピアノの弾けないリストなど、自分の思い込みに技術がついてきていない人物もいて、クスリとさせられます。
過去の「赤川次郎」記事
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