赤川次郎さんの『クレオパトラの葬列』を読みました。
あらすじ
大矢、矢島、矢田の3人がはじめた会社〈三矢産業〉は、それぞれ社長、専務、常務の肩書きが付けられているものの、3人が同等の権限を持っており、1人に何かあったとしても、会社経営に影響が出ないはずだった。
しかし、矢島が取引先の女社長に溺れ、事態を重く見て東京に駆けつけた大矢までもが、その女性にのめり込んでしまう。
そして、最後に残った矢田までもが…
パーティーの席で、大家の娘朋子から相談を受けた鈴本芳子は、ホームズやダルタニアン、ルパンらの力を借りて、事態の収拾に乗り出す。
感想
親から莫大な遺産を受け継いだ鈴本芳子が、自分が歴史上の人物なんだと思い込んで、精神病院に閉じ込められてしまった仲間たちの力を借りて、事件捜査を行う「第9号棟シリーズ」の4作目です。
今回の相手は、会社経営者に近づいてくる魔性の女…なのですが、登場人物たちが、やけに人間臭く書かれています。
予想どおり(?)、最後に2転3転するのですが、これまた人間臭い結末になっています。
小さいところで、第9号棟の仲間たちの特技が披露されてはいるのですが、ぐっと抑えられている感じ。
それが、最後にパッと開いて終わるのですが、このシリーズとしては、少々物足りなかったでしょうか。
『百年目の同窓会』のロビン・フッドのように、あっと言わせる離れ業が見たかったかな。
離れ業はあることにはあったのですが、誰がやったかというところまで書かれていたら、もっと面白かったんじゃないかなと思ってしまいました。
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