太田愛さんの『幻夏』を読みました。
あらすじ
「尚を見つけてください」
鑓水七雄の探偵事務所に、水沢香苗が訪ねてきた。
息子の尚がいなくなったのは、23年前の9月。
登校中、忘れ物を取りに帰ると友達に言ったきり行方不明になっていた。
香苗の前夫で尚の父・柴谷哲雄は、殺人罪で服役し、出所したあとに冤罪であったことがわかった。
尚が行方不明になったのは、その数日後のことだった。
感想
『犯罪者』に続き、2作目の太田愛さんの作品。
『犯罪者』でも思ったことなのですが、読んでいて長く感じるタイプの作品。
思考の飛躍はなく、1つ1つ事実を積み上げていっているような印象を受けるのですが、実はそこに伏線が紛れ込まされているんですよね。
あとになって、「あぁ、あそこに伏線が仕込まれていたんだ」と思うことが多々。
最後は、もう少し別のやり方があったんじゃないのかな?って思ったのと、これで目的が達せられたのだろうか?と、少し疑問が残りました。
ヒヤヒヤ感は1番ある結末だったと思うのですが…
あと、柴谷の冤罪事件に関わった人たちが、もう少し前面に出てきても良かったのかな?と思いました。
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