小路幸也さんの『HEARTBEAT』を読みました。
あらすじ
ヤオは、高校時代グレてしまった女子高生。
10年後、自力で人生を立て直すことができたら、1億円を渡すと約束して2人は別れた。
そして約束の日、原之井は約束の場所を訪れたが、そこにヤオの姿はなく、ヤオの夫だという人物が現れ、ヤオは3年前に失踪したと告げる。
感想
前半が「Boy’s SIDE」、後半が「Girl’s SIDE」と「Last Man’s SIDE」に分かれているのですが、「Girl’s SIDE」を読みはじめるまで大きな勘違いをしていたことに気付きませんでした…
「Boy’s SIDE」は、原之井とユーリが交互に語る形をとっているのですが、この原之井とユーリが同一人物だと思っていて、原之井の子供時代の話がユーリの口から語られているのかなぁと…
道理で話がかみ合わないところがあるわけだと、半分以上読み進めたところで納得。
かみ合わないところに何か秘密があるのかなぁと思っていたのですが、ただのとんだ思い違いでした。
勘違いに気付いてからは、ぐんぐんと物語の中に引きずり込まれ、最後には思いもよらぬ結末が…
これぞ小路幸也さんと言えば良いのでしょうか。
こんな結末を用意していなくても充分面白いのに、もうひとつ捻りを入れて、それを読者に納得させてしまう…
本当に凄い作家さんです。
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