濱嘉之さんの『電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央』を読みました。
あらすじ
在韓日本大使館一等書記官を経て警察庁に戻った藤江康央は、警視庁捜査一課内に新たに設けられる、他部門との合同捜査を一本化するためのセクションの室長を任される。
そんな矢先、大手企業社長の孫息子が誘拐され、2億円の身代金を要求する電話が入った。
藤江は最新のディジタル技術を駆使して、誘拐犯を追いつめる。
感想
身代金目的の誘拐事件の発生から終結までを時系列順に追った話なので、非常にわかりやすい作品になっています。
濱嘉之さんの作品は、いくつもの事件が絡み合って…という作品が少なくないため、結局どこで何が起きたの?って頭が混乱してしまうことがありますが、今回はシンプルで読みやすかったです。
ただ、ただの身代金目的の誘拐事件ではなく、その背後に大きな事件が隠れている点は、さすが濱嘉之さんだなぁと思ってしまいました。
犯人逮捕、取り調べ、終了!とした方が読んでいる側にとってもわかりやすいと思うのですが、そのあたりは譲れないんでしょうね。
それにしても、相変わらずのリアルさ。
リアルな警察小説を読みたければ、濱嘉之さんの作品がオススメです。本当に。
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