【読書】米澤穂信『可燃物』

米澤穂信 └ 米澤穂信

米澤穂信さんの『可燃物』を読みました。

あらすじ 

ゴミ集積所に置かれた可燃ゴミが燃やされるという連続不審火が発生した。
県警から派遣されたのは、捜査一課の葛班。
班を率いる葛警部は、ゴミ集積所に部下を張り込ませ、不審人物の洗い出しを行うが、どれも決め手に欠ける。

感想

警察官が主人公の作品というのは、米澤穂信さんとしては珍しいのではないでしょうか。
その葛も、部下を上手く使って集団の力で事件を解決するというよりは、個の推理力で勝負するタイプ。
短編ということで仕方ないのかと思いますが、葛の上司が言うとおり、部下が育つのか少し心配になってしまったりもします。

どの作品も捻りが効いていて、面白い作品でした。


表題作のほか、『崖の下』、『ねむけ』、『命の恩』、『本物か』が収められています。

『崖の下』
バックカントリースノーボードを楽しんでいた4人が遭難した。
2名が崖の下で発見されたが、1名は首を刺されて死亡しており、もう1人は複数箇所を骨折して重傷だった。

『ねむけ』
強盗致傷の容疑でマークしていた男が、交差点で出会い頭の事故を起こした。
4人の目撃者がおり、いずれも男が進入した道路の信号が赤だったという。

『命の恩』
山中で男性のバラバラ死体が発見された。
男性は6年前、遭難した親子を救助していた。

『本物か』
ファミリーレストランで立てこもり事件が発生した。
犯人は傷害の前科がある男で、手には拳銃らしきものが握られていた。

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