中山七里さんの『翼がなくても』を読みました。
あらすじ
陸上短距離を走る市ノ瀬沙良は、幼馴染みで隣の家に住む相良泰輔が起こした交通事故により、左脚の膝から下を切断することになってしまう。
沙良は所属していた実業団を退職。パラリンピックを目指す道を選択する。
そんな矢先、泰輔が自室で何者かに刃物で刺されて殺害される事件が発生する。
感想
この作品を読んで、1番に頭に浮かんだのが、女子幅跳びの中西麻耶選手。
仕事中の事故で右足の膝から下を切断。
東京パラリンピックにも出場したパラリンピアンです。
作品にも出てきますが、競技用の義足は高価で、メンテナンスなどにもお金がかかります。
中西選手の場合、競技を続けるための行動が、時に批判を浴びたり、時に勇気を与えたり…
ひたむきに努力する姿が好きな選手です。
この作品では、「刑事犬養隼人シリーズ」の、警視庁の犬養刑事と、「御子柴礼司シリーズ」の御子柴弁護士が共演。
ありそうでなかなかない、弁護士と刑事の共演ですね。
どちらも個性を発揮していますが、口ではやはり御子柴の方が1枚上手でしょうか。
それにしても、この2人、敵対しているというよりも、リスペクトしあっているように感じたのは私だけでしょうか。
泰輔の殺害事件の真相まで詰みきることはできませんでしたが、中山七里さんにしては予想どおりで、ベタな流れだったなぁと思いながら読んでいたのですが、最後にうるっと来そうになってしまうところが、さすが。
何が、自分の中の予想を裏切ったのだろうと、不思議になる話でした。
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