歌田年さんの『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』を読みました。
あらすじ
“紙鑑定士”の渡部圭の事務所に、”神探偵”と間違えた米良杏璃が、カレシの浮気の相談にやってきた。
杏璃のカレシが捨てた財布の中から見つかった紙片から、カレシが外国人パブに入れ込んでいることを突き止めた渡部だが、今度は杏璃から、妹が行方不明になっているという曲野晴子を紹介される。
感想
第18回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作です。
タイトルに「紙鑑定士」とあるとおり、紙愛に溢れた1冊。というか、マニアックな1冊。
と、同時に、プラモデルなどの模型愛にも溢れています。
歌田年さんのプロフィールは存じ上げていませんが、仕事として身につけた紙の知識と、趣味の模型制作を作品の中に詰め込んだというところでしょうか。
紙に関する知識がことあるごとに織り交ぜられているのですが、さすがに紙を事件の手がかりに直結させるのは難しかったでしょうか。
それに比べて、模型の方から手がかりを得ることが多かったように感じました。
ただ、紙と模型を、事件に組み合わせるというところに、少し無理があったのかな?という気がしました。
紙と模型から事件を追いかける方に重きが置かれ、どういった事件が起きているのかというところが、少し置いてけぼりになってしまっていたような…
その点だけが少し残念に感じましたが、次回作以降に期待というところでしょうか。
余談ですが、〇〇〇km/h以上で走ると、オービスに撮影される前にカメラの下を通り抜けるという都市伝説があるのですが、実際のところはどうなんでしょうね。
コメント