貴志祐介さんの『狐火の家』を読みました。
あらすじ
西野真之の娘・愛美が自宅の中で殺害された。
死亡推定時刻は、真之が発見する30分前、プラスマイナス30分。
自宅が密室状態だったこともあり、第1発見者の真之が参考人として事情を聞かれる。
地元弁護士から依頼を受けた弁護士の青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径とともに、密室の謎に挑む。
感想
「防犯探偵・榎本シリーズ」の第2弾です。
1作目の『硝子のハンマー』が面白かったので、2冊目も手に取ってみました。
ただ、この『狐火の家』は短編集。『硝子のハンマー』は長編ならではの面白さがあったので、どうかな?と思ったのですが、『硝子のハンマー』の良さが凝縮されているように感じました。
次から次へとトリックを考え出しては否定されるという、この人はいったいどれだけのトリックを思いつくんだ?という、トリック量産作家っぷりは健在。
最後にどんでん返しも用意されていて、まさに最後まで息をつかせない仕上がりになっていました。
表題作のほか、『黒い牙』、『盤端の迷宮』、『犬のみぞ知る Dog knows』が収められています。
『黒い牙』
タランチュラの愛好家・桑島雄司が、飼育部屋として使用していたアパートの1室で、毒蜘蛛に刺されて死亡した。
弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本径は、愛好家仲間の古溝俊樹か、妻の美香による計画殺人であると予想する。
『盤端の迷宮』
ビジネスホテルの一室で、棋士の竹脇伸平が殺害された。
ドアは施錠され、チェーンもかけられていた。
防犯コンサルタントの榎本径は、外からチェーンをかける方法について、警察からアドバイスを求められる。
『犬のみぞ知る Dog knows』
劇団『土性骨』を主宰する中田実が、自宅で殺害された。
中田は誰にでも吠えてかかる番犬・呑龍号を飼っており、劇団員の飛鳥寺鳳也が発見するまで、呑龍号は吠えなかったという。
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