【読書】石川智健『エウレカの確率 経済学捜査官 伏見真守』

石川智健 エウレカの確率シリーズ ├ 石川智健

石川智健さんの『エウレカの確率 経済学捜査官 伏見真守』を読みました。

あらすじ 

3人の女性が殺害される連続殺人事件が発生した。
最初の事件から1ヶ月、捜査本部に暗雲が立ち込め始めるころ、2人の捜査官が加わった。
1人はプロファイリングを専門とする盛崎一臣、もう1人は行動経済学者の伏見真守だった。
伏見は刑事の木下麻耶を相棒に選び、さっそく捜査に取り掛かる。

感想

伏見は、70%の事件は自分を必要としない事件。自分は残りの30%の殺人事件に有効な人間と言い切りますが、果たして、経済学がそれほど事件の解決に寄与できるものなのでしょうか…
アメリカでは、数は少ないもののすでに取り入れられ始めていると書かれていますが、少なくとも伏見のレベルだと、いい影響はあまり期待できないんじゃないかなぁと…

伏見が持ち込んだのは、損得勘定。
そこから、早々に1つ目の事件の被害者の夫である黒川弁護士に目を付けますが、これだけの情報で容疑者を絞り込んで、執着してしまうと、冤罪が発生してしまいそう…

また、黒川の妻とは、離婚を考えていたようですが、親権をめぐってどちらも引かなかった様子。
しかし、2人の子供は虐待を受けている懸念が出てきます。
時々こういった話を聞きますが、虐待を行っているのに親権を得ようとする行動が、私にはわからない。
虐待をやめられなくて、あとで反省するようであれば、子供のためにも親権を手放した方がいいと思うのですが…
虐待でストレスを発散するために手元に置いておきたいんですかね?
いずれにしても、私には理解できない話です。

麻耶の上司・阿久津が好きになれなくて、序盤はちょっと気が重いなぁと思いながら読んでいたのですが、その関係も少しずつ変化が。
そういうところを見せたくて、最初に極端な書き方をしたのかな?と思えてきました。

事件捜査に経済学を取り入れるというのは面白い試みだと思ったのですが、内容が伴わなかったかなぁという印象。
続編もあるようなので、まずはそちらを読んでみたいと思います。

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