【読書】赤川次郎『死者の試写会へようこそ』

赤川次郎 怪異名所巡りシリーズ ├ 赤川次郎

赤川次郎さんの『死者の試写会へようこそ』を読みました。

あらすじ 

映画のスニークプレビューで放映されたのは、15年前に発生した殺人事件をモデルにした作品。
1時間を過ぎたころ、「こんなこと――誰も知らないはずだ! どうしてだ!」と叫びながら、観客の1人が飛び出していった。

感想

「怪異名所巡りシリーズ」の第12弾です。

映画好きの赤川次郎さんらしい作品になっています。
確かに、スニークプレビューというのは最近聞きませんね。
私がそっち方面にアンテナを伸ばしていないだけかも知れませんが…

過去の事件の真相を暴くというのも、赤川次郎さんらしい気がします。

このシリーズは、幽霊と話ができるバスガイド・町田藍の霊感を使って事件を解決するというのがお約束だったと思いますが、今回は幽霊が真相を語るという話ではないものがいくつかあったのに、少し新鮮味を感じました。


表題作のほか、『正義果つるところ』、『雪の中のツアーガイド』、『ジャンヌ・ダルクの白馬』、『KO牧場の決斗』、『月のウサギはお留守番』が収められています。

『正義果つるところ』
ツアーの下見にきた藍と君原。紅葉が楽しめるはずの丘にはマンションが建っていた。
そこへやってきた女性が、「ああ……。ひどいわ! こんな……」と言って倒れてしまった。

『雪の中のツアーガイド』
雪山で遭難した古田は、雪山ガイドをしている高校の同級生・佐木ひとみと偶然出会い、無事下山することができた。
しかし、ひとみは10年前に山の事故で亡くなっていた。

『ジャンヌ・ダルクの白馬』
ツアー客を降ろしたあとのバスの前に、桂里美が飛び出してきた。
里美は取引先の課長にレイプされ、子供を中絶し、生きる希望をなくしていた。
その問題の課長の前に、白馬に乗ったジャンヌ・ダルクが現れる。

『KO牧場の決斗』
38戦38勝38KOのボクサー・笠井三郎は、ついにチャンピオン・清水とのタイトルマッチにこぎ着けた。
KOでの王座獲得を狙った三郎だったが、結果はTKO。
勝者は清水とまで言われてしまう。

『月のウサギはお留守番』
月にウサギはいないと思っていた今田は、窓の外にいるウサギが巨大化するのを見てしまう。
それ以来、月にはウサギがいると、TV番組の収録で口にするようになる。

コメント

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