アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』を読みました。
あらすじ
パイ屋敷で働く家政婦・メアリ・ブラキストンが、屋敷の階段から転落して死亡した。
当時、屋敷は密室になっており、警察も事故であると判断したが、村人たちの間では、メアリの息子・ロバートが殺害したのではないかとの噂が立つ。
ロバートの婚約者・ジョジー・サンダーリングは、名探偵アンティカス・ピュントのもとを訪ねるが、探偵にできることは限られていると、断られてしまう。
しかし、今度はパイ屋敷の主人・サー・マグナス・パイが殺害される事件が発生する。
ピュントは助手のジェイムズ・フレイザーとともに村へ向かう。
感想
童謡殺人と同様の理由で、全7部で構成されていることが容易に想像できます。
しかし、上巻に6部までが収められており、下巻に残り1部?それとも…と思いながら下巻を読みはじめると、想像だにしなかった展開!
「アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!」とあるように、翻訳もわざとクリスティっぽくしているんじゃないかと思いながら『カササギ殺人事件』を読んでいました。
空気感だとか、ちょっとダラダラと長い台詞の言い回しだとか、世界観だとか。
今読むと、ちょっと重たい読書だな、と思いながら読んでいたのですが、下巻ではそれが一転。
クリスティなんだけど、クリスティではない。アンソニー・ホロヴィッツの世界が見えた気がします。
正直、最後は事件の解決編なんてどうでもいいやって思ってしまうくらい、お腹いっぱいって気分に。
ネスト(入れ子構造)になった謎解きの面白さと言えば良いのでしょうか。
前半の展開からは予想できない後半の展開に、すっかりやられてしまいました。
クリスティーやあの時代のミステリを読む方であれば、読んでみて損はないかと思います。
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