肖像画を描いてほしい――
美大に通う小滝英哉が教授から紹介されたアルバイトは、制作中に事故死した樺沢穂香の肖像画を描くという、穂香の両親からの依頼だった。
小滝は、穂香の両親や恋人、親友にインタビューを試みるが、これといった絵を描けないでいた。
同じ頃、小滝の絵に感動したという大学生・ツブキリュウが小滝を訪ねてくる。
岩井圭也さんの『あしたの肖像』を読みました。
あらすじ
美大の三年生・小滝英哉は、教授から故人の肖像画を描くというアルバイトを持ちかけられる。
亡くなったのは、彫刻科の4年生・樺沢穂香。穂香の両親からの依頼だった。
同じ頃、小滝のもとを、小滝の絵に感動したという大学生・ツブキリュウが訪ねてくる。
リュウは、小滝が描いた絵を見て「きっと小滝さんは、自分のことが好きじゃないんだろうなと感じました」と言う。
さらに、小滝は同級生で彼女である宇野ひなたと連絡がつかなくなっていた。
感想
はじめの3分の1くらいは、読書に熱が入らなかったのですが、後半は面白くなってきて、ノンストップで読み切ってしまいました。
美大に入ってから、自画像を描き続けている小滝英哉。
そんな小滝は、故人の肖像画を描くというアルバイトを紹介されるのですが、肖像画というのはただ似ているだけではダメなんだそうで。
そのあたりまでは私でもなんとなく理解できるのですが、そのギャップを埋めるために、穂香の周りの人たちに話を訊いたり、作品を見たり…
そんな四苦八苦する姿が、愛野史香さんの『あの日の風を描く』とダブってしまいました。
穂香の肖像画制作の話、美大生としての自らの制作や生活の話、恋人の宇野ひなたとの話が順に語られていくのですが、どれが欠けても成り立たないお話。
原寸大の大学生が描かれていて、私も学生の時のことを思い出しながら読ませていただきました。
読んでいるうちに苦しくなってくることとか、一緒に歓びを感じたりとか、大いに心を揺さぶられる作品でした。
機会がありましたらぜひ。




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