外資系の保険会社に勤める坂木司には、ひきこもりの友人・鳥井真一がいる。
プログラマーを仕事にしているのだが、坂木が外に連れ出さない限り、何週間も家の中に閉じこもってしまう。
鳥井は鋭い推理力を持っており、坂木が持ち込んだ謎を次々と解いていく。
坂木司さんの『青空の卵』を読みました。
あらすじ
夏の終わりの三重奏
坂木司がひきこもりのプログラマー・鳥井真一を買い物に連れ出すと、棚のそばを歩いていた女性が何かにひっかかって倒れた。
その上に、缶詰の山が…
間一髪坂木が女性を引き寄せて、大きな缶の直撃を避けることができたが、女性は礼を言うことなくヒステリーを起こしながら去って行った。
感想
坂木司さんのデビュー作です。
デビュー作というと、新人賞を取った作品ということが多いようですが、賞を取った作品としてみると地味。
日常の謎を解き明かしていく面白い作品が並んでいるのですが、やっぱり新人賞を獲るには地味な作品に感じられてしまいます。
それもそのはず、坂木司さんのデビューは、新人賞を獲得してのものではなく、東京創元社の社長に本作品を評価されてのデビューだったそうです。
語り手は坂木司。探偵役にひきこもりのプログラマー・鳥井真一を据え、日常の謎を解かせるわけですが、知識の豊富さを感じさせられました。
ただ、短編にしては起承転結の”結”の部分が少し冗長かな?と思いましたが、作品を書くに従ってリズムが出てくるんだと思います(これまで読んだ他の作品では、同じような印象を受けることはありませんでした)。
3部作になっているようなので、続刊も手に取ってみたいと思います。
収録作品
『夏の終わりの三重奏』のほか、『秋の足音』、『冬の贈りもの』、『春の子供』、『初夏のひよこ』が収められています。
秋の足音
ラッシュアワーの駅のホームで困っていた視覚障害者・塚田を助けた坂木。
数日後にも塚田を見かけたのだが、塚田の後ろには塚田を追う人影が…
冬の贈りもの
ひょんなことから知り合いになった歌舞伎役者の安藤のもとに、奇妙な贈りものが届いて困っているという。
鳥井はとある犯人像を語り出す。
春の子供
坂木は、駅前に立ち続けている男の子を発見し、鳥井の部屋に連れて行くが、自分の名前以外話そうとしない。
初夏のひよこ
歌舞伎の公演で知り合った中川丈太郎・とし子夫妻が家庭料理の店を開いた。
坂木と鳥井はさっそく店を訪れる。




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