「夫が、帰ってこないのです」
刑事を辞め、探偵事務所を開業した磯貝公太に、はじめての調査依頼が舞い込んだ。
依頼人は、磯貝の元同僚・鈴元の同級生・勝木奈々。
綾桜千景の筆名でライトノベル作家をしている夫が、1ヶ月前から失踪しているのだという。
小路幸也さんの『〈磯貝探偵事務所〉からの御挨拶』を読みました。
あらすじ
刑事を辞め、探偵事務所を開業した磯貝公太に、失踪した夫を探して欲しいという依頼が舞い込んだ。
依頼人は、磯貝の元同僚・鈴元の同級生・勝木奈々で、探偵事務所が入っているビルの1階にあるアートギャラリーのオーナーでもあった。
磯貝が刑事を辞めるきっかけになった事件で知り合った、大学生の桂沢光とも連絡を取りながら、磯貝は奈々の夫でライトノベル作家の勝木章の行方を追う。
感想
『〈銀の鰊亭〉の御挨拶』の続編です。
前作で刑事として事件の解決に尽力した磯貝公太が刑事を辞め、探偵事務所を開業した初日に舞い込んだ事件について書かれています。
小路幸也さんにしては珍しい(?)純粋なミステリ。
私の中では、小路幸也さんの作品というと、1つ不思議なことを織り交ぜるイメージなのですが、この作品に関しては非現実的な現象は何もなし。
語り口もほんわかとしたものか、ちょっと攻撃的なもののどちらかというイメージなのですが、この作品はどちらかというとほんわかとしたものでありつつ、ピリッとスパイスがきいたものになっていました。
磯貝公太と桂沢光の2人の目線で、交互に語られていく形が取られているのですが、前半はちょっとすれ違いみたいな感じで、2人が知っていることをすべて出し合うと事件が一気に解決、とまではいかないものの、大きく進展するというパターン。
そんな状態をもう少し引っぱるのかな?と思ったのですが、意外と早い段階で情報交換となりました。
最後はちょっとうーんって感じだったでしょうか。
確かに気持ちはわからなくもないですが、ちょっと小さく纏まってしまったかな?と…
それでも、小路幸也さんには珍しい純粋なミステリを楽しませてもらいました。
現時点でもう1冊発行されているようですが、続編にも期待です。




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