「面白い経験ってどんなものですか? ぜひ聞きたいです」
医師の諏訪野良太は、学会で再会した医学生時代の親友・小鳥遊優とその後輩・鴻ノ池舞とともにガード下の焼き鳥屋で飲んでいたところ、舞から研修医時代の思い出を尋ねられた。
良太は忘れようのない3つのエピソードを披露する。
知念実希人さんの『祈りのカルテ 再会のセラピー』を読みました。
あらすじ
研修医時代、救命救急部の当直にあたっていた諏訪野良太には、”顔見知り”の患者がいた。
ひどい症状でもないのになぜか夜間救急でやって来る広瀬は、ガンを患っているために、ないがしろにするわけにはいかなかった。
その夜、次々と急患が運び込まれるために仮眠を取ることもできなかったが、元ヤクザの男性が何かを企んでいることに気づく。
感想
『祈りのカルテ』の続編です。
前回の主人公・諏訪野良太の2年間の初期研修の終盤を描いた作品になっていますが、話の聞き手が「天久鷹央シリーズ」に出てくる小鳥遊優と鴻ノ池舞になっています。
話を訊くのは得意なんだけど、患者の気持ちに入り込みすぎてしまう諏訪野。
諏訪野の精神面を潰してしまわないかと心配になってしまうその性格は、相変わらずのようですが、そんな諏訪野だからできることもある模様。
ある程度ドライでないと自分が潰れてしまいますが、患者に寄り添う気持ちも大切。
そのあたりの線の引き方が難しいですね。
最後のエピソードはもっと感動するような話だったと思うんだけど…と思ったのですが、話に入り込みすぎたのが原因なのか、ちょっと離れたところから話を眺めてしまったのか…
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