何でも屋から”やり残し請け負い屋”に看板を掛け替えた日賀テル。
そこへ押しかけ従業員としてやってきたのがWebコンサルの木崎すずだった。2人は、クライアントが死ぬ前にやり残したことを実現するために、走り回る。
一方、テルのもとには匿名の奇妙な依頼の手紙が届くようになって…
才羽楽さんの『あなたが心置きなく死ぬための簡単なお仕事。』を読みました。
あらすじ
日賀テルは何でも屋を開業するが、供給過多で売り上げが上がらない。
そんな時、死ぬ前にダイヤモンド富士を見たいという老人の依頼をヒントに、”やり残し請け負い屋”を思いつく。
そこに、押しかけ従業員としてやってきたのがWebコンサルの木崎すず。
彼女がWeb広告やインターネットを利用した調査を一手に引き受けてくれたことで、事業は一気に軌道に乗る。
しかし、テルのもとには、匿名の奇妙な依頼の手紙が届くようになる。
感想
吉田修一さんの『国宝』を読んだあと、「こんな秀作を読んだあとに何を読めば良いんだ!」と悩んだあげく手に取ったのがこの作品でした。
才羽楽さんは私のお気に入りの作家さん。
どの作品も好きなのですが、(たぶん)4作品しか上梓しておられないんですよね…
私個人としては、これが4冊目になります。
相性の良い作家さんというのはこんなものなんでしょうか。どの作品も胸のド真ん中を貫かれてしまいます。
この作品も、途中まではこれまでとちょっと違った作品かな?と思いきや、最後はやっぱり才羽楽さん!と胸を射ぬかれてしまいました。
才羽楽さんの作品は、どれも命をテーマにした作品ばかり。
今回も、死ぬ前にやり残したことを実現する仕事と、やっぱり命がテーマの1つになっているのですが、もっと無理難題が出てくるのかと思いきや、比較的ハードルの低い依頼ばかり。
となると…と思えてくるのですが、悪い方の予感が当たってしまったかな。
ちょっとマイナーな作品かもしれませんが、オススメです。
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