【読書】下村敦史『暴走正義』

下村敦史 ├ 下村敦史

その正義、暴走していませんか?
暴露系インフルエンサーによるSNSでの暴露、週刊誌記者による特ダネ、ストーカーに悩まされる女性、誤認逮捕を繰り返される男性、更生プログラムを受講した性犯罪者、死刑反対のデモを行う男性…
あなたが考える正義は、ある日突然崩れるかもしれません。

下村敦史さんの『暴走正義』を読みました。

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あらすじ

暴露系

暴露系インフルエンサーの前川芳郎は、投資家の河原優生が一般女性に対する不同意性交罪で逮捕されたという情報を入手するが、ウラを取っている間にライバルの「帝国鮫」に先を越されてしまう。
そんな前川のもとに、渦中の人・河原から自分の主張を訊いて欲しいとDMが届く。

感想

『逆転正義』と同じく、6編の短編から成っています。
作者の遊び心で、『逆転正義』に登場した人物が再登場しているとのことですが、わかったのは2人のみ…
1年前に読んだ作品ですが、覚えていないものですね。

どの短編にも言えることですが、情報の断片をもとに行動を起こすと、痛い目を見るというのが教訓でしょうか。
特にSNSなど、個人が発信した情報に触れる機会が多い今、話の断片だけで物事を判断してしまうと、あとから誤りに気づくことがあります。
そういった事柄を少しだけ盛って、面白く脚色したのがこの作品かな?
盛ってあるのは”少しだけ”であって、誰でも似たような失敗を犯しかねないなと、気を引き締めないといけないなと感じました。

収録作品

『暴露系』のほか、『報道加害』、『エスカレート』、『誤認逮捕』、『再犯』、『死刑反対』が収められています。

報道加害

偶然、保険金殺人の情報を手にいれた週刊誌の記者・藤原孝典は、他紙に先駆けて記事を打つことに成功するが…

エスカレート

ストーカー被害を警察に訴え出た高嶺彩佳は、現時点では打つ手がないと追い返されてしまう。
1週間後、彩佳はストーカーがポストに投函した写真と手紙を手に、ふたたび警察を訪ねるが…

誤認逮捕

放火、盗撮、窃盗と、3回続けて冤罪で逮捕された五味庄之助に殺人の容疑がかかった。
今度こそ誤認逮捕は許されないと、慎重に捜査を続けるが…

再犯

窃盗や覚醒剤などと比較して再犯率が低い性犯罪の再犯が立て続けに発生した。
犯人たちは、同じ更生プログラムを受講したと口を揃えて言うが…

死刑反対

法務省の前で死刑反対のデモを行った参加者たちが居酒屋で打ち上げをしていると、女児連続殺人犯逮捕のニュースが飛び込んできた。
犯人は「死刑になりたかった」と犯行動機を語っていると聞き、流れが来たと湧き上がるが…

コメント

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