ホテルに損害を与えないこと、ホテルの敷地内で傷害・殺人事件を起こさないこと。
この2つのルールさえ守ればどのようなサービスも受けられる、犯罪者御用達のアミュレット・ホテル。
しかし、その2つのルールさえ守れない輩がいて、その場合はホテル探偵の桐生が犯人探しから処分までを執り行うことになる。
方丈貴恵さんの『アミュレット・ワンダーランド』を読みました。
あらすじ
ドゥ・ノット・ディスタープ
アミュレット・ホテルには「泊まると逮捕される」という噂が流れる部屋が存在する。
その部屋から、双子の泥棒の1人が動画の生配信を行っていたところ、何者かによって殺害されるという事件が発生した。
しかもその時間、廊下にはスタッフがいて、事件があった部屋から犯人が出てきた形跡は無かった。
感想
『アミュレット・ホテル』の続編です。
ホテルの掟は覚えていたのですが、登場人物などが少しうろ覚えになっていたので、当時のレビューを見返してから読みはじめました。
2番目に収録されている『落とし物合戦』は、種を知っていたので登場人物たちが困惑しているのを楽しみながら読むことができました。
ただ、最後に用意されていた結末までは思い至らず…
まだまだ考えが浅いですね。
他の作品については、さっぱり。
桐生の謎解きを読みながら、なるほどなぁと。
最後の『ボマーの殺人』に関しては、一般人としては私もそれなりに記憶しているのですが、さすがにここまでは…
探偵というのは、物知りじゃないと勤まらないんですね。
”犯罪者御用達のホテル”という突飛な設定を上手く活かした作品になっています。
機会がありましたらぜひ。
収録作品
『ドゥ・ノット・ディスタープ』のほか、『落とし物合戦』、『ようこそ殺し屋コンペへ』、『ボマーの殺人』が収められています。
落とし物合戦
スタッフのもとに紙袋に入った落とし物が届けられた。
以前、600万ドルが詰まったキャリーケースが見つかったときは、100人近い”落とし主”が現れたため、厳格な基準によって落とし主を確認するのだが…
ようこそ殺し屋コンペへ
傷害・殺人禁止のアミュレット・ホテル内で、殺し屋コンペが行われることになった!
実際に殺しの指令を実行させて、殺し屋を選ぶというのだが…
ボマーの殺人
犯罪者界のロミオとジュリエットが結婚することになった。
両親らの説得には成功したが、披露宴の最中、プラスチック爆弾を仕掛けたという脅迫電話が入る。
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