二人一組になってください。誰とも組むことができなかった者は、失格になります。
京都にある女子高の卒業式の日、生徒たちが登校すると黒板に特別授業(ゲーム)のルールが書かれていた。
最後に1人または2人が残るまで、このゲームが続くという。
しかも、クラスでいじめられていた美心が失格になった場合は、全員が失格になるという――
木爾チレンさんの『二人一組になってください』を読みました。
あらすじ
京都にある女子高の卒業式の日、卒業生たちが登校してくると、教室の黒板に書いていた寄せ書きが消され、「特別授業」のルールが書かれていた。
二人一組になり、誰とも組むことができなかった者は失格。同じ人と2回組になることはできず、最後に1人または2人残るまで繰り返される。
さらに、クラスでいじめられていた美心が失格になった場合は、全員が失格になる。
イジメの標的だった美心と手を繋ぎつつ、最後まで生き残るためのデスゲームがはじまる。
感想
お初の作家さんです。
もう少し緩ーい設定なのかな?と思っていたのですが、かなりハードな設定。
はじめは生徒たちの回顧のシーンに馴染めなかったのですが、それがだんだんと大きな意味を持ってくることに。
最後は、このルールの抜け穴はないのかな?と、ルールを読み直してみたのですが…
理系の私としては、このゲームの必勝法はないのかな?と、本気で探してみたくなってしまいました。
必要条件の1つは途中で佐伯日千夏が示してくれていますが、他にも何かあるのではないかと。
シミュレーションをしてみたくなりますね。
いじめというのは難しい問題ですが、少なくともこの本の中で示している方法が正しいとは言えないはず。
人間に感情がある限り、いじめはなくならないんでしょうね。
人間だけでなく、マウスなどでもいじめがあると訊いたことがありますし…
”問題作”に分類されてしまう作品かもしれませんが、不思議とあまり嫌な気持ちになることなく読めてしまいました。
そのあたりが作者の筆力なのでしょうか。
機会がありましたら是非!
コメント