【読書】近藤史恵『マカロンはマカロン』

近藤史恵 ビストロ・パ・マル・シリーズ └ 近藤史恵

シェフ2人、ソムリエ1人、ギャルソン1人で営業する〈ビストロ・パ・マル〉。
三舟シェフが創り出す料理に舌鼓を打つためにきた客で、今日も店内は賑わっているが、その中には、人知れぬ悩みを抱えた客が混じっている。
コウノトリの模様が描かれた陶器の鍋の使い方がわからない客、店では出していないブルーベリーのタルトを食べたという客…
シェフの三舟が、小さなヒントを頼りに謎を解いていく。

近藤史恵さんの『マカロンはマカロン』を読みました。

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あらすじ

〈ビストロ・パ・マル〉に、料理人やソムリエなど飲食店関係者らしい女性2人連れがやってきた。
年上の女性の方に見覚えがあるらしい三舟シェフ。苗字が変わっていたので確信できなかったのだが、15年くらい前にフランスで一緒に修行した人物だった。
彼女は今や3店舗の経営者。
そして、一緒にやってきたのは、女性スタッフのみで営業する店舗のパティシエールだった。

感想

「ビストロ・パ・マルシリーズ」の第3弾です。
4冊目か5冊目くらいかと思っていたのですが、まだ3冊目でした。
もっとたくさん読んだような気がしたのですが…
好きなシリーズなのですが、読んでいるとお腹が空いてくるのが玉に瑕。
あまり馴染みのないフランス料理なので、料理名を聞いてもピンとこないのですが、料理名からお皿の上の様子が想像できてしまったら、もう我慢ならないでしょうね。

1話が単行本にして30ページほどと、リズムよく話が進むので読みやすい点もお気に入り。
前の皿を食べ終わるのに合わせて、次の皿が出てくるような、テンポの良さを感じます。
話の筋がクネクネと曲がらずに、まっすぐ進んでいくのも良いところですね。

収録作品

表題作のほか、「コウノトリが運ぶもの」、「青い果実のタルト」、「共犯のピエ・ド・コション」、「追憶のブーダン・ノワール」、「ムッシュ・パピヨンに伝言を」、「タルタルステーキの罠」、「ヴィンテージワインと友情」が収められています。

コウノトリが運ぶもの

近所で自然食品店を営んでいる女性の家には、コウノトリの模様が描かれた陶器の鍋があるのだが、何に使うのかわからないという。

青い果実のタルト

1日に2人の客からブルーベリーのタルトはないのかと訊かれた。
店では、これまでブルーベリーのタルトを出したことはないのだが、この店のブルーベリーのタルトが絶品だったと誰かがブログに載せたらしい。

共犯のピエ・ド・コション

以前常連だった女性が久々に店にやってきた。
再婚を考えている男性と会ってから、肉を一切受け付けなかった息子が鶏肉を食べるようになったという。

追憶のブーダン・ノワール

ブタの血を腸詰めにした「ブーダン・ノワール」。
自分の好物を婚約者にも食べさせたいと思うのだが、相手の女性は嫌がっているという。

ムッシュ・パピヨンに伝言を

昼の客が引けようとした頃、同じオーナーのパン屋が、「ブリオッシュ・サン・ジュニ」の試食品を持ってきた。
すると、店でランチを食べていた男性がイタリアで1年研修していたときの思い出の味だと言い出した。

タルタルステーキの罠

メニューには載せていないが、条件が揃えば客からの注文に応じて提供するタルタルステーキ。
それをメニューに載せてくれという依頼が来た。
マタニティマークをつける女性を含む3人で来店したその客たちは…

ヴィンテージワインと友情

6人で来店した若者たち。
お金持ちの令嬢と思われる女性が高級ワインを持ち込み、飲食費も割り勘している様子だったが…

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