ランドセルをひっくり返すと、バサバサッと音を立て、帯封のない万札が辺りに散らばる――。
弁護士事務所から独立し、”裏メニュー”として合法的復讐を行う探偵事務所を立ち上げたエリスの前に現れたのは、交通事故被害者遺族の佐藤楓だった。
楓は、事故の加害者で5人を死傷させながらも、執行猶予つきの判決をうけた磯田孝之助への復讐を依頼してきた。
三日市零さんの『復讐は感傷的に』を読みました。
あらすじ
大手電機メーカーの会長・磯田孝之助が、車を暴走させて5人を死傷させる事故を起こした。
しかし、発作を起こしたためにブレーキとアクセルを踏み間違えたとの主張が通り、執行猶予つきの判決をうけた。
この事故で父親を亡くした佐藤楓は、「合法的復讐」を”裏メニュー”にもつ、弁護士・エリスの探偵事務所のドアを叩く。
感想
「復讐は合法的にシリーズ」の第3弾です。
エリスが弁護士事務所を辞めて探偵事務所を立ち上げた理由、秘書のメープルとの出会いを描いた「Case 1」ですね。って書こうと思ったら、1つめの話(章?)のタイトルが「case1 少女」となっていました…
エリスとメープルの出会い、そしてその1年半後の、大きく分けて2つの話が収められているのですが、第6感が冴えていたのか、どちらの話もキーになるものが途中でわかってしまい…
もちろん、細部まではわからなかったのですが、やっぱりねーなんて思いながら読んでいました。
大手電機メーカーの会長という「上級国民」が起こした暴走事故。最近も同じような話を読んだ記憶があります。
そして、そのモデルになったであろう事故にも心あたりが…
まぁ、取り上げやすい事故でしたよね。
エリスが弁護士事務所を辞めた理由は、もっと壮絶なものかと思っていたのですが、ちょっと肩透かしを食らった気分。
メープルの出会いについても同様でした。
そんなこともあって、わざわざCase 1を書いたわりにはこぢんまりとしていたかな?という印象を受けました。
もちろん、面白くはあったんですけどね。
このシリーズ、まだまだ続いて欲しいと期待しています。
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