【読書】下村敦史『闇に香る嘘』

下村敦史 ├ 下村敦史

中国で生き別れになった兄と弟。
満州で生まれた村上和久は、4歳で終戦を迎え命からがら日本へ帰国したが、13年後に中国残留孤児として兄の竜彦が永住帰国する前に失明した。
やがて和久は、兄が本当の兄であるか疑惑を抱くようになる。

第60回江戸川乱歩賞受賞作にして、著者のデビュー作。

下村敦史さんの『闇に香る嘘』を読みました。

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あらすじ

満州で生まれた村上和久は、4歳で終戦を迎え命からがら日本へ帰国した。
一方、兄の竜彦は避難途中に川に流され、中国人の夫婦に拾われて育った。
終戦から40年、竜彦はようやく中国残留孤児として日本の土を踏むことができた。
それから27年、和久の孫・夏帆は、週3回の人工透析を行いながら、適合する腎臓を探していた。
和久は竜彦に適合するかどうかの検査だけでも受けてほしいと頼むが、拒否される。
和久は竜彦が日本に帰ってくる以前に失明しており、竜彦が本当の兄なのかどうか、疑念が膨らんでいた。

感想

第60回江戸川乱歩賞受賞作で、下村敦史さんのデビュー作です。
9回目の挑戦にして、ようやく射止めた賞なんだそうです。

普段はもう少し軽い語り口のような気がしますが、少し重ための語り口。そして、テーマ…
中国残留孤児の話を出してくるとは、なかなか重たい。
さらに、先にあらすじを読んだときはちょっと薄っぺらい話のように感じたのですが、重たいのなんのって。
和久が失明しているというところが、面白さに繋がっています。

後半、少し風呂敷を広げすぎたんじゃないかな?と思ったのですが、最後に綺麗に纏まって。
結局、兄弟関係に関しては、誰も何も…
そこが1番の驚きでした。

読み応えのある作品だと思いますので、機会があればぜひ。

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