新人賞を受賞したあと、ヒット作を生み出せないでいる小説家の大菅は、ひょんなことから編集者の添島を殺してしまう。
追いつめられた大菅は自殺しようと橋の上に向かうが、そこには先客の直美がいた。
思わず直美の自殺を止めた大菅は、直美のゴーストライターとして小説を書き、再デビューすることを試みる。
藤崎翔さんの『指名手配作家』を読みました。
あらすじ
新人賞を獲ったあと、ヒット作を生み出せない小説家・大菅賢は、新人クラッシャーとして有名なパワハラ編集者・添島茂明をひょんなことで突き飛ばしてしまった結果、添島は亡くなってしまう。
軽トラの荷台に乗って茨城まで逃げた大菅は、橋から飛び降りて自殺しようとするが、そこには先客の桐畑直美がいた。
思わず直美の自殺を止めた大菅は、直美の家まで送っていき、大菅が書いた小説を直子の名前で出版するという、ゴーストライターを提案する。
感想
2冊目の藤崎翔さんの作品です。
前回読んだ『お隣さんが殺し屋さん』が面白かったので、やはりタイトルに惹かれたこの作品を手に取ってみました。
作家が指名手配されるとは、どういうことなのだろう?と思いながら読みはじめたのですが、あっさりと過失致死が成立。
指名手配されるまでのストーリーがあるのかと思っていましたが、呆気ないくらいあっという間の事件勃発でした。
途中までは、順調にゴーストライターとしての生活を送っていて、面白いけどミステリとしての要素がないなと思いながら読んでいたのですが、よく考えると、大菅が最後にどうなるのかという、大きな謎が待ち受けているのに気付きました。
最後に、大菅がどうなるか…
最初は違ったストーリーを考えていたのですが、出版が2019年ということは、あっちかなぁと考え出したのですが、どちらも外れ。
変化球を待っていたら、ど真ん中にストレートを投げられたという気分でした。
その代わり(というわけでもないけど)、エピローグが面白い。
なるほどなぁと、感心させられました。
このエピローグまで含めて、1つの物語になっていました。
コメント