冷え切った夫婦関係に不満を募らせていた涼子は、夫が女性からの夜中の電話で呼び出されて出て行くのを見て、堪忍袋の緒が切れた。
夫をひっぱたいてから家出をしようと夫のあとを追うが、バーのママ・ルナに止められる。
そして、ルナに誘われるまま、涼子の大学時代の元カレの行方を追って大阪へ行くことになる。
最後に用意された仕掛けに驚嘆すること間違いなし!
秋吉理香子さんの『月夜行路』を読みました。
あらすじ
専業主婦の涼子は、文芸誌の編集長を務める夫の浮気に気付いていた。
そして久々に帰宅した夜、女性からの電話で呼び出され、ふたたび家を出ていった夫にキレ、一発ひっぱたいてから家出をしようと夫のあとを追う。
その涼子を止めたのが、バーのママ・ルナだった。
そして涼子は、ルナと共に大阪へ昔の恋人探しの旅に出ることになる。
感想
涼子の昔の恋人は、父のあとを継がなければならなくなったため大阪に戻ったのですが、職種も何もわからない上、名字が「佐藤」だったことから、総当たりで1軒1軒潰していくことになってしまいます。
その過程で、心中事件や殺人事件などに出くわしてしまいますが、文学ファンで推理小説も読み倒しているルナが名探偵っぷりを発揮します。
大阪の文学スポットも巡っていくのですが、谷崎潤一郎や太宰治、江戸川乱歩、織田作之助などなど…
このあたりをほぼ避けてきた私としては、いまいちピンときませんでしたが、ここに出てきた作品を読んでいる方なら、面白く読めるんだろうなぁと、損をした気分になりました。
あと、ルナが絵馬に書いた言葉
『ダーリンとずっと尊敬しあえる関係でありますように』
が、良いなぁと思ってしまいました。
自分も、そうでなきゃいけないなぁって。
自分の中の秋吉理香子像とは少しずれていたのですが、面白い作品でした。
機会があればぜひ。
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