シリーズ第1巻の『検屍官』から34年。
常に最新の鑑識技術と法医学、科学技術を取り入れることで、あたかも近未来に連れて行かれたかのような気に読者をさせる『検屍官シリーズ』の第25弾。
前作『烙印』の刊行から5年(原作)、登場人物たちの間にも数年の年月が流れ、各々が置かれる立場も多かれ少なかれ変化した様子。
事件のスケールも大きくなり、ますますケイたちから目が離せません。
パトリシア・コーンウェルの『禍根』を読みました。
あらすじ
ヴァージニア州検屍局長に復帰したケイ・スカーペッタだったが、怠慢な前任者の尻拭いに忙殺される。
そんな中、頸動脈と両手首を切断された女性の死体が線路脇で発見される。
被害者は、ケイの妹・ドロシーとマリーノが結婚して暮らす新居の隣人だった。
さらに、ケイとベントンは、ホワイトハウスに呼び出され、前代未聞の事件について意見を求められる。
感想
「検屍官シリーズ」の第25弾です。
これで、日本で刊行されている最新作に追いつくことができました。
と思ったら、つい先日『憤怒』が発売されました…
前作『烙印』から、本国での出版間隔が5年も空いたので、小説の中の世界がどれくらい進むのかな?と楽しみにしていたのですが、小説の中でも数年の時間が経過したようです。
ドロシーとマリーノの結婚はもちろん、新型コロナウイルスのパンデミックも乗り越えた様子ですが、悲しい出来事も…
前作で一区切りとして、この作品から新たなスタートという意味合いもあるのかな?
前作からの変化量がかなり多かった気がします。
そして、スケールも大きく。
ケイとベントンはホワイトハウスに呼ばれ、地上500kmの宇宙空間で起きた事件を、リモートで検屍するという仕事がまわってきます。
さらに、自らの身にも危険が…
というのは、いつもの展開のような気がしますが、これからも「検屍官シリーズ」から目が離せません。
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