美容外科医の橘久乃は、幼馴染みの志保から「痩せたい」と相談される。
志保にカウンセリングを行っていくと、太っていた同級生・横網八重子のことや、その八重子の娘・有羽が大量のドーナツに囲まれて自殺したという話が出てくる。
久乃は、関係する人間1人1人に会って話を訊いていくが、人によって異なった目線から見た様子が語られる。
湊かなえさんの『カケラ』を読みました。
あらすじ
美容外科医の橘久乃は、幼馴染みの志保から、痩せたいと相談を受ける。
カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘・有羽が死亡したという情報だった。
有羽は、大量のドーナツに囲まれて自殺したらしい。
感想
詳しくないので、技法的に何と言うかはわからないのですが、久乃が聞き手に回り、1章ごとに1人、相手が話したことを書き起こしたような書き方になっています。
この書き方は正直苦手。
どういったやりとりがされているかは想像できるのですが、動きが少ないし、久乃がどう受け止めたのかがわからなくて、ちょっと退屈。
読んでいるうちに面白くなっていくだろうと思いながら(信じながら)読み進めていくと、人数を重ねるうちに言い分に差異が出てきたりして、知らず知らずのうちに物語の中に引き込まれていってしまいます。
最後は唐突な幕切れ。
同じ事柄でも、見る人によってこれほどまでに見え方が変わるのかと思わされました。
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