【読書】小路幸也『HEARTBLUE』

小路幸也 ├ 小路幸也

ニューヨーク市警失踪人課を少年が訪れ、知り合いの少女がいなくなったと告げる。
一方、アメリカに仕事で訪れていたCGデザイナーの巡矢新も、一葉の写真に写っていた少女の行方を追い始める。
2人がそれぞれに動いた末に交わる点とは?

小路幸也さんの『HEARTBLUE』を読みました。

あらすじ

「ベギーがいなくなったんだ」
ニューヨーク市警察失踪人課の警察官ダニエル・ワットマンのもとを、少年が訪ねてきた。
サミュエル少年によると、ベギーは1年ほど前から様子がおかしかったという。
一方、CGデザイナーの巡矢新は、一葉の写真に写り込んでしまった少女のあとを追いかけ始める。
2つの経路はやがて交わり始め…

感想

私は、小路幸也さんには2つの顔があると考えています。
1つは、「東京バンドワゴンシリーズ」や「駐在日記シリーズ」のようなほんわかした雰囲気の作品。
そしてもう1つはピリリとスパイスのきいたような緊張感を持った作品。
この「HEARTBLUE」は間違いなく後者に当たると思うのですが、小路幸也さんの場合、後者の作品で
暴走してしまうことが…
でも、この作品はよく締まった満足度の高い作品になっていました。

『HEARTBEAT』と同じシリーズにまとめられているようですが、『HEARTBEAT』との関連性はいまいち感じられなかったかなぁ。
(『HEARTBEAT』の内容をいまいち覚えていなかったりするのですが…)

現実ではなかなか起きえないことを、さらっと書いているところはさすが小路幸也さん。
あとから考えると、よくこんな話がすんなりと頭の中に入ったなぁと思うのですが、やっぱりそのあたりがうまいですよね。

これだから小路文学はやめられないと、改めて感じさせられる1冊でした。

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