【読書】東川篤哉『新 謎解きはディナーのあとで2』

東川篤哉 謎解きはディナーのあとでシリーズ ├ 東川篤哉

「お嬢様の目は節穴でございますか?」
宝生家の令嬢で刑事の麗子に対する執事の暴言の数々…
本屋大賞受賞から11年。
東川篤哉の名を全国にとどろかせた『謎解きはディナーのあとで』がパワーアップした新シリーズになり、いよいよ2作目が登場!

東川篤哉さんの『新 謎解きはディナーのあとで2』を読みました。

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あらすじ

『笠原邸の殺人』
笠原歩美の恋人・藤木翔太を、歩美の兄で藤木の同僚・康平、母の浩江、家政婦の宮元敏子が玄関で見送っているとき、歩美の祖父・伊佐夫の隠居部屋の方からガラスか何かが割れた音がした。
歩美の父・智通と藤木以外の4人が駆けつけたところ、伊佐夫は首を絞められて部屋の中央に倒れ、元は50cm以上はあったかと思われる大皿が割られていた。

感想

東川篤哉さんの名前を一躍有名にしたのが、2011年に本屋大賞を受賞した『謎解きはディナーのあとで』。
かく言う私も、この作品から東川ワールドに入った1人です。

警視庁へ異動した風祭警部が国立署に帰還し、若手女性刑事・若宮愛里が加わった「新 謎解きはディナーのあとでシリーズ」ですが、大きな流れは変わりません。
風祭警部が誤った推理をし、麗子は犯人が思いつかず、宝生家の執事・影山が麗子から聞いた話をもとに推理する(ただし、推理を述べる前に麗子に対する暴言を吐く)という、安楽椅子探偵もの。

本来、警察官には守秘義務があるので、執事や、兄に警察庁刑事局長を持つフリーライターや、行きつけのバーのママに捜査情報を話すのはご法度なんですけどね。

ただ、今回その安楽椅子探偵という設定が崩れたのが、3番目に収録されている『浜辺のパラソルの問題』。
宝生家が所有するクルーザーの操船のため、影山が藤崎邸が建つ島まで同行。
殺人現場にも足を踏み入れています。
麗子からの伝聞だけでは解きにくい謎だったため、こういった形が取られたのでしょうが、こういうパターンも嫌いじゃないかも。

また、お決まりの”暴言”が発せられないことも。
これはちょっと消化不良だったかなぁ。
でも、影山の気持ちもわかる気がしました。


『笠原邸の殺人』のほか、『灰色の血文字』、『浜辺のパラソルの問題』、『服を脱がされた男』、『四回殺された女』が収められています。

『灰色の血文字』
アイドルグループのメンバー・星宮キラリの撮影が行われていたスタジオの屋上にある喫煙所で、キラリの事務所社長・音川新太郎が殺害された。
喫煙所のテーブルには、血文字で「アキラ」と書き残されていた。

『浜辺のパラソルの問題』
麗子は三浦半島沖に浮かぶ小島に建つ藤崎邸を訪れる。
麗子が藤崎邸に辿り着くのを待っていたかのように大雨が降り出したが、雨が止んでもパーティの主役・孝之が戻ってこない。
麗子たちが様子を見に行くと、浜辺のパラソルの下で孝之は殺害されていた。

『服を脱がされた男』
多摩川の河川敷のススキ林の中で、男性の全裸死体が発見される。
ほどなく身元は明らかになったのだが、犯人が男性の服を剥ぎ取った目的とは?

『四回殺された女』
ワンルームマンションの部屋の中で、女性が首をつって死んでいるのが見つかった。
しかし、女性は別のロープでも首を絞められ、胸にはナイフで刺された跡、頭部には殴られた跡が残されていた。

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