【読書】湊かなえ『夜行観覧車』

湊かなえ ├ 湊かなえ

父が医師の良家と見られていた家庭で起きた殺人事件。
主を殺害したのは、妻か、それとも息子か?
複雑な家庭事情の裏にある闇とは…

湊かなえさんの『夜行観覧車』を読みました。

あらすじ

高級住宅街〈ひばりヶ丘〉に住む中学生の遠藤彩花は、中学受験に失敗したのを機に、度々癇癪を起こし、手当たり次第に物を投げつけたり、暴言を吐いたりするようになった。
一方、向かいの高橋家は、父が医者の典型的な良家。
しかしある夜、騒ぎ声が聞こえたあと、救急車、次いでパトカーが到着。
高橋家の父・弘幸は後頭部を殴られて死亡。妻の淳子が容疑者として連行されてしまう。

感想

ある高級住宅地を舞台にした、2つの家族と1人のお節介なおばさんの物語。
日常的に家の中が荒れている遠藤家ではなく、誰からもうらやまれるような高橋家で起きた事件。
しかも、事件当初、両親以外に唯一家の中にいた次男の慎司が行方不明に。
実は慎司の犯行を母が被ったのではないかという憶測まで流れます。

夫婦の間で起きた殺人事件。
自分は、被害者の子供なのか、加害者の子供なのかと、子供たちは悩むことになります。
しかし、世間はそんなことに構わずに、鬱憤のはけ口に…

彩花の癇癪にも、どうやって対処するのか?
自分がその立場だったら、いったいどうするんだろうなぁと、頭を悩ませてくれる、深く踏み込んだ作品になっていました。

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