【読書】秋吉理香子『息子のボーイフレンド』

秋吉理香子 ├ 秋吉理香子

高校生の息子が家に連れて来た恋人は、男の子だった!

秋吉理香子さんの『息子のボーイフレンド』を読みました。

あらすじ

高校生の息子・聖将をもつ莉緒は、ある日ファミリーレストランで「俺、男が好きなんだ」と、カミングアウトされる。
自らの高校生時代、一緒にBLものの漫画を書いていた親友・優美はあっさりと受け入れるが、莉緒は自らの息子ということもあって簡単には受け入れられない。
それでも、夫がいない日に彼氏の雄哉を家に連れてくるよう聖将に伝える。

感想

はじめ、タイトルを見たときは何も思わずスルー。
しかし、一瞬の間のあと違和感が。
ん?息子のボーイフレンド??
なんだ?この挑発的なタイトルは。これは、私に読んでくれと訴えかけているような気がする。いや、読めといっているに違いない。
ってことで、読んでみました。

LGBTへの理解、対応が社会的課題になっている昨今ですが、中途半端な知識や、面白半分で書けるテーマではないため、秋吉理香子さんも勇気が必要だったんじゃないかなって思います。

ある統計によると、LGBTの割合は、左利きの人や血液型AB型の人と同じくらいで、約9~10%なんだそうです。
私の友人にも、性同一性障害の人が1人いますが、実は知らないだけでもっといるんでしょうね。
また、その友人が性同一性障害であるということを、何の違和感もなく受け入れましたが、莉緒のように、我が子がLGBTだったとなると、そんなにあっさりと受け入れられる自信は正直ありません。
私もまだまだですよね。

それにしても、日常の中で男性にしか恋愛感情を持てない男性同士が出会い、お互いを好きになり、自分がLGBTであることをカミングアウトできる確率というのは、どれほどのものなのでしょうか。
ストレートの人が両想いになる確率を考えると、それは奇跡と言っても良いのではないかな?って思いました。

話はそれますが、パリオリンピックの女子ボクシングの選手の中に、トランスジェンダーの選手が混じっていたことが問題になりました。
ストレートの女子選手は不公平に感じるでしょうし、トランスジェンダーの選手は出場する枠がなくて困っていると思います。

その受け皿として、パラリンピックにトランスジェンダーの枠を設けたらどうかな?って思ったりしています。
性同一性障害のように、障害という言葉がつくのですから、パラリンピックの枠に収まるでしょうし、トランスジェンダーの選手も、トランスジェンダーの選手同士で競い合えば、誰も不公平だと言われないのではないでしょうか?

最後は脱線してしまいましたが、ユーモアを交えながら、読みやすい1冊の本に仕上げておられますが、この本を通じて投げかけてこられた問題は、大きく、難しいものだなぁと感じました。

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