【読書】坂木司『和菓子のアン』

坂木司 ├ 坂木司

高校を卒業し、なんとなく就職することにした杏子が選んだ職業は、デパ地下にある和菓子屋の販売員。
食いしん坊の自分らしいという理由で選んだのだが、日々和菓子の奥の深さと人間関係を学んでいく。

坂木司さんの『和菓子のアン』を読みました。

あらすじ

高校卒業を前にして、専門学校へ通うほど好きなことも見つからず、大学に行きたいと思うほど勉強が好きでない梅本杏子は、就職する道を選択した。
デパートの中を歩いて杏子が選んだのは和菓子屋〈みつ屋〉。
あっけなく面接を通過した杏子は、椿店長と元和菓子職人の立花さん、アルバイトの桜井さんと一緒に働き出す。

よく拝見しているブロガーさんが以前紹介されているのを見て興味を持ち、手に取ってみました。
なんだかここだけ違う時間が流れているようで心地よい、オアシスみたいな空間。
日常の謎を解きながら、杏子と一緒に和菓子の世界にのめり込んでいってしまいます。

自分のことを、太っているという杏子ですが、BMIを計算してみると25.3(身長150cm、体重57kg)。そんなに太っているとは思いませんけどねぇ。
そんな自分のキャラクターを自覚していて、明るさに変えているところが素晴らしい。
また、無理にダイエットをしようとしなかったり、極端に引け目に感じていないところも良いなぁと思ったのですが、やっぱり気にしていたようですね。

続編もあるようなので、心のオアシスとして、読んでいきたいと思います。


表題作のほか、『一年に一度のデート』、『萩と牡丹』、『甘露家』、『辻占の行方』が収められています。

『一年に一度のデート』
和菓子を一緒に食べたい人がいるのだが、6時間の持ち運びに耐えられるか?と尋ねる客が現れた。
立花さんはドライアイスを勧めたが、横で聞いていた店長は保冷剤を勧める。

『萩と牡丹』
ヤのつく職業と思われる男性が店にやってきて、「腹切り」や「こなし」、「半殺し」などと、物騒な言葉を連発するが…

『甘露家』
同じデパ地下に店を構える洋菓子店の店員が、閉店後に大量に売れ残った洋菓子を持ち帰っていた。彼女は、「兄です」と杏子に言う。

『辻占の行方』
正月に販売した、フォーチュンクッキーの元祖とも言われる『辻占』の中に、意味不明な記号列が入っていたと、女性客がやってきた。

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