スーパーの店長を殺害した拳銃は、23年前にタイムカプセルに入れて埋めたはずのものだった。
江戸川乱歩賞を受賞した、筆者のデビュー作。
横関大さんの『再会』を読みました。
あらすじ
美容室を営む岩本万季子は、息子の正樹が万引きをしたと、スーパーの店長・佐久間秀之に呼び出され、現金30万円を要求される。
さらなる要求に対処するため、元夫の清原圭介とともに2回目の交渉に挑むが、秀之は殺害されたあとだった。
秀之殺害に使用された拳銃は、23年前、警察官だった圭介の父が殉職したときに入手し、万季子と圭介、秀之の弟直人、警察官になった飛奈淳一の仲良し4人組が、鍵をかけて小学校の校庭に埋めたタイムカプセルの中に入れたものだった。
感想
横関大さんが江戸川乱歩賞を受賞してデビューした作品です。
「ルパンの娘シリーズ」の既刊を読み終えて、横関大さんは他にどんな作品を書かれるのだろうと思って手に取った1冊です。
初期の作品ということもあってか、まだ「ルパンの娘シリーズ」のようなコミカルさは見られませんが、よく考えられたミステリといった印象。
小学生の時の仲良し4人組が、大人になってもお互いを助け合い、信じ合う。そして、ちょっぴり疑ってしまう…
なんだか良い関係ですね。
高校までの人間関係がほとんど切れてしまっている私には、とてもうらやましく感じられてしまいました。
最後の最後まで、どこに行き着くのかわからないスリル。
そことそこが繋がるの?という、ちょっと偶然が過ぎるなぁと思う部分もありましたが、本筋に影響しないので特に気にならず。
デビュー作ならではの新鮮さ、と書きたいところですが、それよりも熟成された面白さを感じました。
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