【読書】中山七里『ドクター・デスの再臨』

中山七里 刑事犬養隼人シリーズ └ 中山七里

中山七里さんの『ドクター・デスの再臨』を読みました。

 あらすじ

20万円で安楽死を請け負い、「ドクター・デス」の名を日本中に響き渡らせた事件から2年弱、ドクター・デスそっくりの手口で安楽死を行った事件が発生した。
ドクター・デスがほぼ実費の20万円で請け負っていたのに対し、今度の犯人は10倍の200万円を要求していた。
JKギルドを名乗る今度の犯人は、ドクター・デスの共犯者なのか?それとも、同調した模倣犯なのか?
警視庁捜査1課の犬養、高千穂コンビが事件に挑む。

感想

「刑事犬養隼人シリーズ」の第7弾です。
と同時に、シリーズ4作目の『ドクター・デスの遺産』の続編という位置づけでもあります。

今回も問われるのが、積極的安楽死と、人間の死ぬ権利の問題。
事実、安楽死を合法化している国もあるわけで、世界を2分する問題とも言えるかと思います。

死ぬほどつらい、死ぬよりつらい思いをしている人は実際にいるわけですが、同時に生きる権利も持ち合わせています。
しかし、権利であって義務ではない…

私は今のところ反対派ですが、身の回りの人たちや、自らがその立場に置かれると、考えを改めることになるのかも知れません。

物語の方は、この人怪しいなぁと思う人がいたのですが、あっさりとJKギルドに辿り着いてしまい、あれれ?って感じ。
でも、「どんでん返しの帝王」である中山七里さんのことだから、そんなにすんなりいくはずがないと、注意深く読んでいると、私の予想どおりの結果に。
中山七里さんに勝った!と、喜んでしまいました。

今回は、腎不全を患ってドナーを探している犬養の娘・沙耶香が出てくることがなくて、ちょっと残念だったかなぁ。
親子の関係が少しずつ良くなっていくのを楽しみにしているのですが…

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