岡崎琢磨さんの『珈琲店タレーランの事件簿6 コーヒーカップいっぱいの愛』を読みました。
あらすじ
〈タレーラン〉のオーナー・藻川又次が狭心症で倒れた。
1週間後の手術を前に、藻川はバリスタの切間美星に、4年前に亡くなった妻が、生前1週間家出をした理由を調べて欲しいと依頼する。
喧嘩のきっかけは、藻川が誤ってコーヒーカップを割ってしまったこと。
美星は、常連客のアオヤマとともに、浜松、天橋立へ向かう。
感想
「珈琲店タレーランの事件簿シリーズ」の第6弾です。
行動半径も拡がりましたし、消えてしまった画家の遺作に1000万円の懸賞がかけられるなど、スケールが大きくなっています。
どこから手をつければ良いのかわからないような問題ですが、美星の推理は比較的スムーズに進んだ感じ。
まぁ、出だしでまったく違う方向へ踏み出してしまうと、話になりませんからね。
調査の途中に訪れた天橋立は、それなりに観光をした気分になれましたが、浜松の方は鰻を食べたくらいしか印象に残らなかったかな。
京都の案内書という意味では、仕方ないことなのかも知れませんが。
最後の纏め方はさすがといった感じ。
当事者が亡くなっているにもかかわらず、何があったのかわかってしまうという見事な発想でした。
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