小路幸也さんの『あの日に帰りたい 駐在日記』を読みました。
あらすじ
雉子宮駐在所に異動になってから9ヶ月。
大きな事件はないものの、今日も見回りに、小さなトラブルの解決にと忙しい簑島周平巡査部長。
冬のある日、小学校の校庭に作った雪だるまが、歩いてどこかへ行ってしまうという事件が発生する。
感想
『駐在日記』の続編です。
前作では、なぜ舞台を昭和50年に設定したのかな?という疑問が残りましたが、この作品を読んで、少しわかってきた気がします。
周平が赴任した雉子宮は、全戸数121戸、人口は516人という地区ですが、主な産業は農業と林業。
少子高齢化も進んでいるようです。
このまま、時を現代、約50年後に移すと、さらに少子高齢化、過疎化が進むことになり、地区の存続すらも危ぶまれる状態になってしまいます。
それに対して、小路幸也さんが求めているのが、若い力なんじゃないかなと。
そのまま少子高齢化が進むのか、若い人たちのアイデアと努力で人を呼び込めるのか。
50年後の雉子宮の姿は、若い人たちにかかっているということを言いたいんじゃないかなと感じました。
大きな事件はなく、ほんわかとした雰囲気に包まれた雉子宮。
小路幸也さんらしくて、好きな作品です。
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