西澤保彦さんの『七回死んだ男』を読みました。
あらすじ
高校1年生の大庭久太郎は、同じ日を9回繰り返す”落とし穴”にはまる”体質”を持っていた。
“落とし穴”にはまるのは、2ヶ月に1回から1ヶ月に十数回の頻度。
今回”落とし穴”にはまったのは、祖父の渕上零治郎の家で過ごしていた1月2日。
しかし、2周目以降、零治郎が殺害されてしまう。
久太郎は歴史が確定する9周目に、零治郎の死を防ぐことができるのか?
感想
同じ日を9回繰り返すのを”体質”と言って、あっさり説明をつけてしまうところが、とってもスマート。
すんなりと話の中に入り込んでいけました。
どうしても零治郎の殺害を止められない久太郎。
オチはわかっているのですが、毎回久太郎の孤軍奮闘ぶりに目を奪われてしまいます。
「螺旋を抜ける時」の章で明らかになる事実は、私も少し考えましたが、どうしても説明がつかないことがあって、放棄していました。
そこに対する説明が、この作品の1番のポイントではないでしょうか。
後継者を決める方法については、すぐにわかったので、面白さ2割減かなぁと思いながら読んでいたのですが、そこはわかっていても全然問題なかったんですね。
予想外のところに仕掛けが隠されていて、面白い作品でした。
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