【読書】岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで』

岡崎琢磨 └ 岡崎琢磨

岡崎琢磨さんの『珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで』を読みました。

あらすじ 

『午後三時までの退屈な風景』
昼下がりの珈琲店タレーランには、2組の客が。
1組はカップルで、男性がハンドバッグをひっくり返し、中身を派手にぶちまけてしまった。
もう1組は幼児と母親で、コーヒーを味見してみたいという子供に対して、母親が砂糖を大量に足しながら味見をさせ、ついには隣のテーブルのシュガーポットにも手を伸ばした。

感想

シリーズ第4弾です。

これまでの作品とは視点を変えた短編集になっています。
叙述トリックがあったり、心温まるエピソードがあったりと、視点が変わってもタレーランらしさはそのままになっています。

バリスタであり、探偵でもある美星さんの登場場面は少なめ。
店の常連客であるアオヤマさんの出番も少なかったかな。
この2人を楽しみにされていた方には物足りないかも知れませんが、最後まで読み切ると、きっとこれでよかったのかな?と思えるはずです。


この他、『パリェッタの恋』、『消えたプレゼント・ダーツ』、『可視化するアール・ブリュット』、『純喫茶タレーランの庭で』、『リリース/リリーフ』が収められています。

『パリェッタの恋』
理学療法士を目指す伊達涼子は、1回り年齢が違う専門学校の講師・瀬古に恋をした。
学生と講師が学外で会うのはご法度だったが、涼子が瀬古とあっていた時間、瀬古にはSNS上でアリバイが残されていた。

『消えたプレゼント・ダーツ』
アオヤマはダーツバーでミナトという男と手合わせをすることに。
1ゲームめが終わったあとアオヤマがトイレから帰ってくると、ダーツが1本消えていた。

『可視化するアール・ブリュット』
芸大生の満田凜が、画材などを入れる鍵のついたロッカーを開け、クロッキー帳を取り出すと、昨日までなかった落書きがされていた。

『純喫茶タレーランの庭で』
美星が落ち込んでいたとき、今は亡きタレーランの奥さんが、美星を励ますために庭の木になっている檸檬に仕掛けをしてくれた。
しかし、美星がとったのは、唯一手が届くところにある実ではなく、上の方になっている実だった。

『リリース/リリーフ』
会社員のエリは2年前、仔猫が入った箱を河川敷に置き去りにした。
その時の仔猫が、〈純喫茶タレーラン〉で飼われているシャルルだった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました