山下貴光さんの『屋上ミサイル』を読みました。
あらすじ
アメリカ大統領がテロリストに誘拐され、各地の軍事施設が制圧された。
大陸間弾道ミサイル発射基地まで占拠され、世界は核ミサイルの恐怖に震え上がる。
一方、高校生の辻尾アカネは、校舎の屋上を訪れ、そこにいた国重嘉人、沢木淳之介、平原啓太と「屋上部」を結成するが、通り魔、ストーカー、絵画詐欺などの事件に巻き込まれてしまう。
感想
第7回『このミステリーがすごい!大賞』の大賞受賞作です。
選考委員の意見が二分されたらしいのですが、私はどこが面白いのかよくわからなかったというのが正直なところです。
このミスを獲るくらいだから、最後にアッと言わせてくれるのだろうなと思いながら読み進めていったのですが、最後まで「う~ん…」って感じ。
アメリカ大統領が誘拐されるというのは、なかなか面白い設定。
でも、アメリカは国を挙げて奪還しにいくだろうし、いくつもの基地が制圧されてしまうというのはちょっと無理がある。
そもそも、世界がパニックになっている様子がいまいち伝わってこなくて、アメリカ大統領の誘拐はおまけみたいな印象を受けてしまいました。
「屋上部」が巻き込まれる事件に関しても、偶然の積み重ねのようで、後付けの説明がなかったのが残念。
「実はこういうことだったんだよ」って説明がもっとあれば、もう少し評価が変わってきたと思うのですが…
それなりに楽しい読書時間を過ごせたのですが、このミス大賞受賞作と思ってハードルを上げていた分、残念ながら裏切られた感がありました。
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