赤川次郎さんの『合唱組曲・吸血鬼のうた』を読みました。
あらすじ
ホールでの合唱のあと、神代エリカと大月千代子、橋口みどりの仲良し三人組と、伴奏を担当した関谷しおりは、エリカの父フォン・クロロックのおごりでイタリアンレストランで食事を取っていた。
すると、「リュドミラ様!」としおりに声をかけた女性が。
たしかに、しおりには西洋の血が混じっていたが…
感想
吸血鬼であるフォン・クロロックを活かした作品になっています。
最近は、秘められたパワーが前面に出てしまって、何でもありじゃんって気持ちになる作品が少なくなかったのですが、トランシルヴァニア生まれというところがうまく活かされています。
ただ、集英社オレンジ文庫で読んだのですが、挿絵でのフォン・クロロックの年齢が…
少なくとも、エリカの父として相応しい風貌にして欲しいと思うのですが…
表題作のほか、『吸血鬼と悪夢の休日』、『吸血鬼の同行日記』が収められています。
『吸血鬼と悪夢の休日』
高校を卒業してバラバラになった近藤五月、山本裕也、坂田伸介の3人は、20年後に東京のMデパートで会おうと約束していた。
しかしその日、人殺しの堺建介が現れるという情報をキャッチして、刑事たちがMデパートに張り込んでいた。
『吸血鬼の同行日記』
フォン・クロロックが乗車した列車に、発車間際に飛び込んできた女性が、いきなりクロロックの腕を取った。
彼女は暴力団組長の愛人で、他の男と駆け落ちするために逃げてきたのだという。
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