恩田陸さんの『ユージニア』を読みました。
あらすじ
数十年前、地方の名家で起きた大量殺人事件。
米寿の祝宴の乾杯に用意されていた日本酒とビールに毒物が混入されていた。
近所に住む小学生だった雑賀満喜子は、大学の卒業論文代わりにこの事件をふたたび洗い直し、たまたま編集者の目に止まったことから、出版されることになった。
犯人は酒とジュースを届け、のちに自殺した男性とされているが、謎も多い事件。
満喜子が書いた小説でも、犯人は特定されていなかった。
【読書】
章ごとに、関係者が事件を振り返る形式で書かれた作品。
坦々と述べられるだけなので、私が苦手とする形式…
恩田陸さんの狙いがわからない。
そんな思いで最後までやってきてしまいました。
うーん、どう表現すればよいんだろう。
「難解」?
日本推理作家協会賞を受賞していることからも、悪い作品ではないのでしょうが、私の頭ではついていくのがやっとでした。
玄人好みの作品なのかもしれませんね。
コメント
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確かにスッキリ、と言う小説ではありませんね。
(私はもちろん購入済みで何度か読み直してますが・・)
結局真相は?と思いますよね。
だからこそ何度読んでも良いとも言えるのか・・
「六番目の小夜子」も最初に読んだ時は??状態でした。
ミステリとして読まなければ、どちらもありなのではないでしょうか。
私は「蜜蜂と遠雷」が一番、次が「チョコレートコスモス」。
「上と外」や「ライオンハート」も上位かな。
最近のものでは「なんとかしなくちゃ。 青雲編 1970 – 1993」がよかったですよ。続編が早く読みたいです。
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>mimiさん
コメントありがとうございます。
確かに恩田陸さんはミステリ作家というわけではありませんもんね。
普段ミステリばかり読んでいる私の頭の方が凝り固まっていたようです。
おすすめの作品、ありがとうございます。
読んでみますね♪
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こんにちは、coralさん。
恩田陸さんの「ユージニア」は、事件に関わった人物1人ずつの証言を元に、過去の事件を浮き上がらせていくという物語ですね。「Q&A」と似たような手法ですね。
ただし、この作品は基本的にQはなくてAだけ。「Q&A」と同じように、人々の語る証言から事件の概要が浮かび上がってくるのですが、むしろ事件から長い年月を経て、それぞれの当事者たちの思いが浮き上がってくるというのがポイントなのかもしれません。
はっきりと質問者が存在していた「Q&A」と違い、聞き手の言葉が、直接的に登場しないので、まるで自分もその場にいて、一緒になって話を聞いているような感じなんですね。
話を聞いているというよりも、なんだか、そこにある、混沌とした深淵を覗き込んでいるような印象で、これがとても不気味さをそそりますね。
もちろん、それらの話の全てが真実とは限りませんし、3章の「遠くて深い国からの使者」のように、明らかに事件当日のことを書きながらも、固有名詞が微妙に変えられている部分もあります。
巧妙にはぐらかされながら、少しずつ核心に近づいていく感覚が堪りません。
そして、最後まで読むと、また最初に戻るんですね。
恩田陸さんの作品には、ラストが曖昧で、焦点がぼやけるような気がしてしまう作品が意外と多いのですが、この作品に限っては、この曖昧さがとても効果的な気がします。
インタビュワーのことを初めとして、他にも気になってしまう部分がいくつかあったのですが、それでも、深い余韻が残りましたね。
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>19580113-mhさん
コメントありがとうございます。
なかなか深い読み方をされていますね。
私は字面を追いかけただけになってしまったため、結局消化不良に。
『どちらかが彼女を殺した』の話にも似ていますが、本を読むことが目的になってしまって、自分の頭で考えるということがおろそかになってしまっているようです…