一色さゆりさんの『コンサバター 大英博物館の天才修復士』を読みました。
あらすじ
糸川晴香は、世界最古にして最大の博物館・大英博物館で紙の修復士として働いている。
その大英博物館に展示されている、パルテノン神殿の石板が破損してしまった。
見物客が自撮りしている最中に落下させてしまったらしい。
しかし、破損した石板を確認すると、大理石ではなく石膏で作られたものだった。
大英博物館の天才修復士ケント・スギモトが、晴香とともに謎に挑む。
感想
『このミステリーがすごい!大賞』大賞を受賞した『神の値段』に続いて、一色さゆりさんの作品2冊目です。
『神の値段』もアートを題材にした作品でしたが、一色さゆりは東京藝術大学の出身なんですね。納得です。
デビュー作である『神の値段』から、安定感を感じた作家さんでしたが、この作品も安定感抜群。
スギモトの父が失踪するという大きな謎を追いかけつつも、4つの事件に対峙する。
そのどれ1つとってもじっくりと練られた感じを受けました。
特に、4つめの事件は、私が大好きな葛飾北斎の富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』が題材になっているということもあり、面白く読ませてもらいました。
ちょっとしたトリビアも含まれていて、勉強にもなりましたよ。
シリーズ化されている作品のようなので、続編も手に取りたいと思います。
コメント
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このシリーズ、大好きです。
一色さん、良いですよね!
是非、続けて読んでくださいませ。
実は「神の値段」は読んでいないのですけれど・・
このシリーズは買ってしまいたい、と思うくらい好きです。
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>mimiさん
コメントありがとうございます。
一色さゆりさん、面白いですよね。
特に、美術品の裏側に入り込んだ作品が面白いと思っています。
先日読んだ『飛び石を渡れば』は、ちょっと違うかなぁと思ってしまいました…