【読書】小路幸也『アンド・アイ・ラブ・ハー』

小路幸也 東京バンドワゴンシリーズ ├ 小路幸也

小路幸也さんの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を読みました。

あらすじ

『秋:ペンもカメラも相身互い』
古い建築物を写真に収めるのが趣味な健人の後輩・水上が、朝野料亭の風景を撮っていると、高校生数人にカメラを寄こせと絡まれた。
たまたま通りがかった、元刑事の茅野がその場を収めたが、水上が中年男性に尾行されているのに気がつく。
自宅へ送っていくのは危険と判断した茅野は、水上を古本屋〈東京バンドワゴン〉に連れてくるが…

感想

「東京バンドワゴンシリーズ」の第14弾です。

小路幸也さんの作品って、読み心地が軽くてどんどん読めてしまいそうなのですが、なぜかじっくり時間をかけて読んでしまいます。
その理由として、文章が綺麗なのかなぁと思ったり。
日本語の美しさを充分に引き出しているからこそ、この世界観なのかな?と思っています。

普段はミステリ中心に読んでいる私ですが、何冊かに1度、小路幸也さんの作品を挟みたくなってしまいます。
私にとっては、そんな心のオアシス。

作品の中で、
『愛があれば何でもできると思うのは大間違いです。でも、愛がないと何だろうと上手くできないのも事実なんですよね』
とあったのに、なるほどなと思わされました。
我南人の「LOVEだねぇえ」という言葉がお約束のこのシリーズですが、愛がすべての原動力になっているんだなってことを感じさせられました。


その他、『冬:孫にも一緒の花道が』、『春:桜咲かすその道の』、『夏:アンド・アイ・ラブ・ハー』が収められています。

『冬:孫にも一緒の花道が』
〈東京バンドワゴン〉周辺を嗅ぎ回る人物が散見されるようになった。
どうやら、女優でまだ正式には引退していない池沢百合枝の様子を伺っているようなのだが…
さらに、我南人のバンドのメンバーで闘病中のボンが、いよいよ危なくなってきた。

『春:桜咲かすその道の』
海外のサイトで、五条辻家の蔵書印が押された本を紺が発見した。
一方、高校卒業と同時にバンド活動を本格的にはじめようと考えていた研人は、バンドメンバーが大学に進学せず、自分と同じ道に進んでも良いのかと思案する。

『夏:アンド・アイ・ラブ・ハー』
すずみが産婦人科系の病気に苦しんでいる一方で、大山かずみが大きな決断を下していた。
そして、あの人の気持ちにも変化が…

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