【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』

歌田年 紙鑑定士の事件ファイル ├ 歌田年

歌田年さんの『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』を読みました。

あらすじ 

紙業界紙『月間KAMI – ZINE』に、紙人32面相からのクイズが掲載された。
その1問目、2問目に見事正解した自称紙鑑定士の渡部圭は、『月間KAMI – ZINE』の担当者・小牟田千果咲から、姉の自殺の真相を調べるのを助けて欲しいと依頼される。
千果咲は姉の死を殺人によるものだと考えていたが、部屋が密室になっていたことから、警察は自殺だと判断していた。
さらに、『月間KAMI – ZINE』に掲載した問題は、姉を殺害した犯人をあぶり出すためのものだった。

感想

「紙鑑定士の事件ファイルシリーズ」の3作目です。

「紙鑑定士」を「神探偵」と間違われて事件に巻き込まれていくこれまでのパターンとは違い、すでに業界内では渡部の名前は有名になってしまっている模様。
塾でのカンニング事件まではおだやかなものでしたが、その後は本の間にカミソリの刃が仕込まれたり、密室の謎だったりと、刑事事件が続きます。

小説の中でも周りから言われていますが、本当に探偵に職業を変えた方が良いのではないかと思うほどのキレッキレっぷり。
でも、半ば趣味で、仕事を選びながらやっているから良いのかもしれませんね。

ランボルギーニ・アヴェンタドールの持ち主である自然堂真理子との関係にも結論が出ていないようなので、シリーズはこの先も続きそう。
紙に限らず、ここまで1つのものにこだわったマニアックな作品で、なおかつ大勢の人を惹きつける作品というのはなかなかないと思うので、この先にも期待したいと思います。

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