中山七里さんの『彷徨う者たち』を読みました。
あらすじ
東日本大震災から7年。
仮設住宅から災害公営住宅への転居が進む中、一部の住民は仮設住宅からの転居を拒んでいた。
そんな住民の対応にあたる町役場の掛川勇児が殺害され、内側から鍵のかかった仮設住宅の中で見つかった。
阪神大震災の時は、1次避難所となった学校の教室からなかなか仮設住宅に移らなかったり、元々住んでいた土地のコミュニティに関係なく仮設住宅や災害公営住宅の割り当てを行ったため、孤独死という問題が発生しましたが、東日本大震災ではそのあたりのケアもだいぶされているみたい。
でも、やはり限界があるようで、被災者全員が納得する形に持っていくのはなかなか難しいようです。
また、震災で家族を失っていないということを引け目に感じる様子も。
JR福知山線の事故でも、同じ列車に乗っていながら、無傷で助かった人が精神的にまいってしまったり…
そんな複雑な心境も上手く描かれています。
最後に2転3転するあたりは、さすが中山七里さん。
すっかり騙されてしまいました。
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