赤川次郎さんの『幽霊健診日』を読みました。
あらすじ
警視庁捜査一課の宇野喬一警部が、女子大生の永井夕子とのデート中に気を失い、病院に搬送された。
幸いすぐに意識を取り戻したが、翌朝、病院の休憩所で医師の神林早百合が殺害されてしまう。
感想
「幽霊シリーズ」の第30弾です。
夕子に引っ張り回されて、タフに動き回っている宇野ですが、さすがに疲れが出たようで。
医師と同じく、働き方改革が必要な職業なのかも知れません。
そして、気がつくと宇野の設定年齢よりも私の方が年上に…
バリバリ働いている(働かされている?)宇野を尊敬してしまいます。
作品の方は、いつものとおり軽いタッチで書かれていて、気分転換にはもってこいです。
これぞ「幽霊シリーズ」といった、安定感が心地よいです。
表題作のほか、『幸福への設計図』、『展覧会の絵』、『お化け屋敷に雪が降る』、『壁を越えて』、『歪んだ散歩道』、『昨日、今日、あさって』が収められています。
『幸福への設計図』
バンドのメンバー・早川一郎の父の部下が、ライブ中に舞台の袖で殺害された。
『展覧会の絵』
展覧会で飾られた1枚の絵を前に、〈オノ物産〉の会長夫人が、どこで描いたのかと騒ぎ出した。
『お化け屋敷に雪が降る』
宇野が運転する車の前に、雪女の恰好をした女性が倒れ込んできた。
『壁を越えて』
夕子の同級生・浜田由佳が、中学生自殺の記事を見て「あのとき、何とかしてあげてたら」と泣き出した。
『歪んだ散歩道』
画家の中林哲夫が殺害された。子どもたちは金を必要としている者ばかりで…
『昨日、今日、あさって』
教育評論家の菊池貢は、愛人から妊娠を告げられた。そしてその夜、妻からも妊娠を告げられる。
さらに、16歳の娘が妊娠したと言い出す。
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